岩波書店★★★
これの続きです。1995-99年になくなった人物の評伝、あるいは周辺ゴシップですね。やはり、そこそこ面白かったです。
横山やすし(肝硬変51歳)はケンカも酒も弱かったとか。
長年の東洲斎写楽の研究家だったフランキー堺(肝不全 67歳)。しかし映画が実現したときには、もう写楽を演じるには歳をとりすぎていると宣告され(監督は篠田正浩)、結局は蔦屋重三郎になったとか。
面白かったのが勝新。甘党の若山富三郎は62歳で死亡。対して大酒のみの勝新太郎は65歳。なんか皮肉なもんてす。
そうそう。スタンリー・キューブリックはカーク・ダグラスから「才能あるイヤな野郎」と言われていたとか。あはは。よっぽどクセのある男だったらしい。例の2001年・・・も無理やりアーサー・C・クラークに原作を書かせ、おまけに完成してからも映画にあわせて手直し要求が尽きない。しかも映画化まで本の出版も許さなかったり(クラークはカネに困った)、クラークにとっては疫病神だった。
この本ではないですが、世界一周の途中にセイロンへ寄ったポール・セロー(旅行作家)によると、老化したクラーク爺さんはグチャグチャに描写されています(※)。セローも底意地悪いやつだけどクラークも老醜。素晴らしい作品残してなおかつ人物も・・なんてのはレアケースなんだろうな。
※ 本筋に関係ないですが、クラークのセイロン居住はバイセクシャルが理由だったらしい。生涯暮らしたセイロン人の友がいた)