これも途中で返却。それでも4分の3くらいは読んだかな。維新の瓦解に直面した深層の姫君たち、30人くらいを紹介しています。
へーぇ?と思ったのは、たとえば将軍家から前田へ嫁いで赤門つくらせた溶姫。あんまり幸せそうではありません。前田にとっては厄介なお方だし、本人は本人でいろいろ不満があるし。難しいですね。
そうそう。松平春嶽の庶子であるお姫様。なんやかんやの果てに芸者に身をおとし、お雇い外国人であったフランス軍人と結婚した。生まれたのが市村羽左衛門。ま、養子に出されたわけですけど。
たしか薄田泣菫の「茶話」かなんかで知った記憶もある大スターですが、この十五世の羽左衛門というのはべらぼうな美男だった。白塗りの立役。里見弴がなにかで「天才を超えた天品」と褒めてるらしい。ようするにあまり才が感じられなかった?
ま、そういう本でした。具体的な内容はあるんですが、あんまり読んで惹かれるという本ではなかったです。少しありきたり。慶喜と年上のなんとか姫、実は心を通わせて・・・とか。凡庸。