筒井の本なんて何年、何十年ぶりだろう・・・と借り出し。
文学論と題していますが、ようするにエッセイ集ですね。ずーっと書いてきた追悼文とか選評を、あちこちから寄せ集めた。どこかに「14年ぶりのエッセイ集」とありました。
例の断筆宣言以来です。えーと、調べてみたらあれは1993年だそうです。それっきり(書いてないと思って)読んでなかったけど、実は3年か4年で手打ちがあって、宣言取り下げになったらしい。意外でした。筒井のことだからずーっと意地はって、雑文書いて生きているんだとばっかり思ってた。
で、肝心の本書ですが、うーん、衰えたというか、そもそも面白くないです。だいだい「不良老人の文学論」というタイトルからしてひどい。つけたのは新潮社かもしれないけど、こんなタイトルを許してしまうような人だったのか・・・と驚きましたが、でももう86歳だという。しかたないですね。どんな名人達人文豪もトシには勝てない。みなさん、晩年のものはすべからく無残です。
Wiki読んだら、18~19年前には紫綬褒章までもらっている。ひぇー。エッセイのあちこち、やたら大御所ふうの匂いが行間から漂っているのも当然なのか。