「我々はみな孤独である」貴志祐介

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角川春樹事務所★★★
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貴志祐介はけっこう読んでいます。「青の炎」 「新世界より」「悪の教典」。このへんはかなり上出来。ちなみに「青の炎」は学園もの。「新世界より」はファンタジーSF、「悪の教典」はバイオレンス漫画。
硝子のハンマー」は密室殺人もの。「ミステリークロック」も密室殺人ですが、うーん・・。「罪人の選択」は習作集ですかね、あまり感心しなかった。エッセイ集も一応ありますが、これはもっとすすめません。
読了した当時はたいして評価しなかったものの、あとになって再読してもいいかなと感じるのは「新世界より」と「悪の教典」。とくに「悪の教典」はバカバカしくて楽しく読めます。「新世界より」も再度じっくり読んでみようかという気がする。いろいろ欠点も多いんですが、それを補う魅力あり。
出来不出来はあるものの、総じて好きな作家ですね。たぶん、また新作があれば借ります。
ということで、この新作。去年あたりの刊行かな。ただし書き始めたのはかなり前らしい。たぶん、苦しんだ。
けっこう面白いです。主人公の探偵は「硝子のハンマー」の防犯コンサルタントと称する男と似ているかな。ちょい悪だけど魅力がある。で、相棒の女といっしょに探偵がいろいろ探るんですが、そのテーマが『前世の記憶』。はてはて、うんうん、それで・・・と進むにつれてグチャグチャになって、凶悪日本ヤクザと麻薬カルテルとの狂気闘争とか。血が流れほうだい。ま、、なにを言いたいのか不明。
風呂敷ひろげすぎて最後は作者本人が嫌になってしまっ・・という感じでしょうか。回収できずに放り投げた。もう何言われてもいい・・・。腹を立ててもしかたないですね。けっこう楽しかったです。