彩図社★
作家文豪といってもニンゲンですから、腹もたてるし悪口も言う。けっこうネチネチと文句つけるタイプもいる。そうした「ワルクチ」をあちこちから収録したものです。
結論として、あんまり面白い本ではなかったですね。そうだなぁ、太宰の代表的な何本かの悪口(有名なのかは井伏にたいしてとか川端とか)、中原中也の激烈なやつ(これは短いのが特徴ですね。短詩型アイクチ)とか、ま、それなり。
感想として、志賀直哉という人はかなり反感かっていたんだなあ。特に無頼派連中の目の敵。また菊池寛に絡んだ論争・喧嘩は読んでるだけで心が腐るような気分。よっぽど嫌われた。あの坂口安吾までがイジイジイイジと菊池に文句つけてる。今東光も本気で菊池と喧嘩している(※)。
谷崎潤一郎vs佐藤春夫。こんなにダラダラとだらしなくヤリトリが続いたとは知らなかった。読んでると赤面するような女をめぐる経緯です。
編集部ワルクチの収録の仕方が悪かったのかなあ。魅力がない。疲れる。文豪のみなさん、かなりみっともないです。
※詳細は知りませんが、結果的に今東光は孤立して仏門入り。てっきり左翼運動絡みが主な理由かと思っていましたが、それだけもなかったのかな。