徳間書店★★★
朝井まかてをもう一冊。
ちょっと毛色が違って、いわば御伽草子です。昔話集。どこかの暗い森のハズレに草地があって、そこには巨大な木・・・ではなく、草がある。葉っぱがまるで耳たぶみたいにふっくらしている。イメージがわきません。
で、なぜか尻尾のちぎれた小狐がやってきて、けっこうしつこく「昔話を聞かせてくんろ」と要求する。そんなもん、知らんと拒否しても、執拗に迫る。うーん・・と困っているうちに、不思議に昔話を思い出して語りだす。ときどき「あい 」と小狐が合いの手を入れる。
ま、そうやって、少し脚色された感のある昔話(新解釈昔話ですね)がいくつか続きます。そのうち頭のわるい山姥(やまうば)もやってきます。少しアホな春風なんかがサヤサヤと無意味に通りすぎます。
後半で少し展開が変わって、なんか種明かしふうにもなりますが、それはともかく。なかなか楽しい一冊でした。★★★★にしてもいいかと、少し迷いました。(表紙の絵は何の話なのか、考えたけど見当つきません)