神は細部に宿る。あるいは悪魔も。で、髪はどうか。
いや。先日みたTBSの連続ドラマ「ペンディングトレイン・・・」です。
漂流教室みたいな設定で、電車の一両が乗客もろとも、そのまま未来へワープしてしまう。ある意味定番、無人島漂着ドラマですね。ま、役者はそこそこで悪くはないんですが、惜しいかな、細部が惜しい。
前週はちょっと浮き気味の美容師(山田裕貴)が、電車の中で嫌われ者の女(古川琴音※)の髪を切ってやる。本音は切りたくもないんですが「やって」と強引に頼まれたら、ま、仕方ないか。
車両の通路に椅子代わりの何かを置いて座って、透明ポリ袋みたいなのをマントにかぶって髪をカットしてもらう。それを見て「私もやって!」とかオバさま方も次々で、臨時カットサロンは大繁盛。
うん、周囲に他の乗客が誰もいないのはともかく、、問題は切った髪をどうしたかです。通路に落としっぱなしにした? カットした髪が電車の床をフワフワしているとしたら、けっこうグロです。それも数人分。箒もチリトリもないのにどうやって掃除した? いや、たまたま数日前、現実の床屋へ行ったもんで実感。髪の始末ってけっこう大切なんですよね。
このドラマ、こうした細部が惜しい。大きな構成が素っ頓狂なんだから(なにしろ未来ワープ)、せめて細かいところは真面目につくらないといけない。そうしないとアホらしくなります。
そういえば、漂流して何日もたっているのに主役級のオトコたちに無精髭は生えない。着ているものもほとんど汚れない(中年役者はもちろんヒゲだらたけで衣服も汚い)。女性はメイクが崩れないし。水や食べ物も、たしか付近の木の実かなんかを小鳥みたいについばんでるシーンは少しあったけど、他に何か食料があったっけ。みんな元気です。
数日前には雨が降ったはずなのに、林 森の中でなぜか乾いて手頃な火きり棒と板材が手に入る。準ヒーロ(赤楚衛二)が必死になって依怙地にマメだらけの両手でゴロゴロと(一日中)きりもみやってると、ついに火がおきる。それも夜になってから(夜は湿気が出るんで通常は無理)。熱意は通じるんです。
そうそう。長いツタのロープとか竹の鳴子とかモロモロ登場。竹コップもあったかな。ちなみに竹を輪切りにするの、ものすごく難しいです。大型ナイフくらいじゃまず無理でしょう。まっとうなノコギリがあっても簡単じゃないです。同じことをDASH島の連中にやらせてみてほしい。
もっとひどいのが地図ですね。たしか何日かかけて大きな林の東西南北、あちこち探索しつくしたはずなのに、なぜか未探索の方向モレがあったらしい。なななんと、谷川が流れていた。何日か前、消防士の赤楚衛二が仲間のため水を求めて、英雄的に崖を登攀したのは何だったんだ。
とかなんとか。よくまあこんなに都合のいい脚本をつくった。他がそう悪くないだけに、ほんと惜しいなあ。
※古川琴音、ほんと最近よく見ますね。特徴的な風貌なので、覚えた。