「砂漠の狐を狩れ」スティーヴン・プレスフィールド

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sabakunokitune2.jpg新潮文庫★★★

なんか気になって、また借り出し。作者は「炎の門」の人です。

「炎の門」は全滅したスパルタ兵300のストーリー。非常に面白い本でした。なぜスパルタは強かったのか。ファランクス(方陣)とはどういう性格のものだったのか。これほどキッチリ書いた小説を知りません。

この作家、他にもギリシャものを何編か書いているようで期待なのですが、なぜか翻訳なし。その代わり訳のわからないハウツウ本みたいなのが邦訳されている。やはり変なゴルフものもあって映画化されているらしい。不思議な扱われ方です。

で、「砂漠の狐を狩れ」。アフリカ戦線での長距離砂漠挺身隊の話ですね。車は砂漠仕様のデザートシボレー。狐はもちろんロンメル将軍。そんなに派手なストーリーじゃないですが、その代わり世界的にも不思議な人種である英国のパブリックスクール出身、エリート士官の生態がよく理解できる。何回読んでも不思議な連中です。

まずいポリッジ食べて紅茶飲んで満足している。たまにラム飲んだりご馳走はローストビーフかな。キューリのサンドイッチも好きなようです。(話は違って南極越冬なんかでも、他の国が最新のチタン機器なのに英国だけ古い木製器具を使っていたりしたらしい。これでいいんだよ、と恥じない。そういう人種)。

地味で、しぶとい。我慢強い。たぶん鼻持ちならない。結果的に強い。

ま、そんなふうな(わけわからんですね)小説です。そうそう。ここに登場するアフリカ戦線の戦車はたぶん初期の20トンから30トンクラスの中戦車かな。3型とか4型とかいう名称。ガソリンは食うし故障するし手間はかかるし装甲は破れるし、なかなか大変です。そんな戦車を中心に据えた当時の機甲師団の地味な戦いが実感できます。

読み通しはできず、半分ほどで返却しました。それで十分。