日本経済新聞出版 ★★★
ひさしぶりに本を読みました。実はずーっと半藤一利の「世界はまわり舞台」にひっかかっていて、これがあんがい読みにくい。いや、冒頭の文士劇の内幕なんかは楽しかったんですが、その次の章からどうも・・・。止まってしまった。
それがふと「他の本を読んだっていいんだ」と気がついて、それが荻原浩です。わりあい軽い内容なので、すぐ読めます。朝食後にとりついて、たぶん3時間か4時間。
えーと、平凡なサラリーマンがなぜか平行世界に紛れこんでしまう話です。うんざりする日常、通勤駅でふと上りではなく下り線にのってみたくなる。で、支線のへんぴな終点。駅前の古いヨロズ屋でカロリー満点(罪悪感!)ハムカツサンドとメロンパン(※)、缶ビール2本を買い、山のほうへ歩いてみる。トンネルがある。ジブリの千と千尋ですね。
で、平行世界に入り込んでしまって、いろいろあって。その世界での奥さんはまた別の人だったりして(※)。あるいは会社のドジ後輩がその世界では専務になっていたりして。どっちにしても、あんまり楽しいことはありません。
そして最後はまた元の世界の自分に・・・・戻れるかな?
(本筋に関係ありませんが、ふだんお団子頭のヨロズ屋の婆さん。薄化粧してワンピース姿、古い恋人がいると信じる世界に向かって、パラソルさして軽やかに出ていくシーンがあります。可愛い。こういうセンスが荻原浩の良さですね)
※変なとりあわせですが。生野菜大好き奥さんには決して食べさせてもらえない。
※オレはあいつと結婚してたのかあ・・・・。だからといって楽しいとは限らない