晶文社★★★
もう二カ月近く、本を読んでいないのか。えーと、最後が6月14日。ひどいなあ。
いま現在も3冊借り出してますが、なんとか1冊だけ、それも読みやすい小田島隆だけです。あとはまだ積ん読状態。ひどいなあ。
えー、小田島隆があちこち書き散らしたものを収録。もちろんみんな(95%くらいか)面白いですが、記憶に残ったのはたとえばアベノミクスの話ですか。どっかの編集部から電話で「アベノミクスをどう思いますか」と聞かれて、しばし考えてから「成功したんじゃないですか」と答えた。ま、予想外だったんでしょうね、しゃべった内容は採用してもらえなかった。
つまり「アベノミクス」ってのは、中身がないんです。特定の政策とか法案なら意見が言える。反対・賛成もある。でも「アベノミクス」ではアイマイすぎて、つまるところアベを好きか嫌いかということなってしまう。そういうボヤーッとした方向に持っていけたのは、アベ政権としては大成功です。
だから「アベノミクス」に批判的なことを書くといきなり「パヨク」とか「反日」とか罵られる。理屈ではなくて、アベノミスク=アベが好き。ま、そういんうことなんでしょう。
「骨太の方針」なんかもそうですね。何が太いんだ。みーんな政権の提唱した便利で適当なタームです。こういう言葉をメディアが無定見に(いや、定見があるのか)見出しとして使うのはものすごく恥ずかしい。恥ずかしいとも思わず便利に使っているとしたら、もっと怖い。
ま、そんなふうなことです。
別件ですが、オダジマの世代にとって団塊に対する被害者意識がこんなに強いとは知らなかった。言われてみれば、確かに、ですけど。
なにしろ数が多い。数のパワー。世の中はいわば団塊のためにあった。団塊世代の指向はニホンの指向。団塊が喚き、壊し、雄叫びながら荒し回ったあとには、もうペンペン草も生えない(※)。
その景気のいい大集団の後をトボトボ付いていったのがオダジマたちの少数集団で、1950年台の真ん中あたり生まれかな。うん、迷惑かけました。正直、団塊の先頭をあるいた世代としては、少しだけだけど、そう思います。でも、資源が少なくて、貧しくて、数が多すぎて、我々もけっこう苦労したんだよ、ほんとは。
※ すごいイメージだなあ。破壊集団。