「諦念後」小田島隆

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teinengo.jpg亜紀書房★

もう一冊、小田島隆。先に読んだ「ザ、コラム」は2016年の刊行で「ハードディスクから探し出したファイルを集めてみた・・」とかいうものでした。で、この「諦念後」は死後に奥さんがまとめて本にした。2022年刊。後書きにあります。

ま、60歳を過ぎたオダジマがソバ打ちとか鎌倉彫りとか、いろいろ新しいことに挑戦する・・というコンセプトの短文集ですが、うーん、正直いってよくないです。オダジマ・クォリティを満たしているとはいえない。

最後のほうで入院とか検査とか、ま、体調もよくなくなっていたんでしょうね。遺作集みたいなもんですが、読まないほうがいいかもしれない。

瑣末なエピソードですが、途中にありました。足が悪くなってからは、横断歩道がチチカ点滅を始めたら、むしろ歩行をゆっくりにする。どうせ間に合わない。焦っていいことはない。

身につまされます。こっちももう何年も前からスタスタ歩くことを放棄した。ゆっくり一歩一歩、主観的には大地を踏みしめて歩く。実際にはノロノロ ノッタリノッタリなんでしょうけど、それが悪いか。

オダジマ、ちょっと早く逝きすぎたなあ。