「ウォーターゲーム」吉田修一

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watergame.jpg幻冬舎★★

吉田修一は「国宝」とか「悪人」「怒り」などなど。読ませる作家です。ま、たいてい読んで損はない。

で、図書館で見かけて借り出したこの「ウォーターゲーム」ですが、うーん、なんというか。そりゃ面白いことは面白いですが、ハリウッド大活劇ふう。影のある青年、なんか怪しい美女、美人入れ墨師、超有能な産業スパイ、正体不明のマフィアホス、欧州の汚い大資本。アパートのベランダで涙をこらえている虐待幼女、必死に取材する女性新聞記者。

上手な書き手ですから、それぞれのキャラはたっています。魅力あり。そういう連中が次から次へと総登場で、舞台も九州、名古屋、プノンペン、バンコク、スイス、エトセトラ・・・。跳んだり走ったり爆破したりホールドアップしたり自家用ジェットでサーカスしたり美味いシャンパン飲んだり。

正直、あまり感動しませんでした。手抜き本。で、関係ないでしょうけど版元が幻冬舎ですか。冒頭にあげた三冊はそれぞれ朝日新聞出版とか中央公論。なんで幻冬舎から出すことになったのか。なんか合わない印象です。

吉田修一にしては駄作と思います。