今年の大河ドラマ「光る君へ」。もちろん不満はいろいろありますが、ま、ガマンの範囲、けっこう楽しみに見ていましたが、うーん、だんだん酷くなる・・。
ついに諦めました。どうして何がなんでも男女の話にしてしまうんだろ。天下の左大臣がなにかというと自分の娘である中宮(彰子)付きの女房(藤式部)を訪問。ちなみに中宮の住まいは藤壺、つまり後宮といってもいいでしょう。そういう宮中の「女性区画」のいわば使用人住居に総理大臣クラスの中年男がやってくる(※)。で、その女房と二人っきり、いつも訳ありげに相談している。やはり問題ですわな。
先日は式部の娘の家に、街で出会ったらしい若い武者が飯をたべに寄っていました。式部の父親はたしか先の越前国司。従五位くらいだったな。立派な貴族です。一介の下っぱ武者が、家の娘に誘われたから「飯を食いにきた」などと屋敷の門をくぐれるものかどうか・・。
ま、こういう「常識」を堂々と無視するのが、立派な脚本家の気負いなんでしょうね。三条天皇の中宮らしい女性(たぶん道長の娘、妍子)が御簾の中からこっそり出てきて、いきなり敦成親王(たぶん)の後ろから迫って「好 き!」とモーションかけたり。あほくさ。ちなみに敦成親王というのは三条天皇の皇子です。つまりは亭主の子供。自分の義理の息子。
だめだ、こりゃ。
※実際には女房たちのところへ、若い貴族なんかよく遊びにきてはいたようです。一種の社交界ですね。各房の仕切りはないも同然なので、誰が誰のところに来ているかは、たぶん公然の秘密。