今年も本を読めない一年でした。トシヨリには負担なネットバンキングやらマイナンバーやら、PayPayやら。おまけにPC関連の流れも調べたいしCPUは欲しいし。忙しい。
読後を書いたのがたったの16件。えっ?という少なさです。実際には途中で挫折したケースが多々あって、ま、たいていは返却期限切れですね。
なんか気が乗らず、本はリビングのテーブルに重ねて積んだまま。そのまま放置の場合もあり、たまには急に覚醒して読みふけったり。必死に読むと肩が凝ります。目も痛くなります。あは。
水木しげるのニューギニア、ニューブリテン島もの。だいたい想像通りの内容でした。悲惨。不条理。能天気。無駄に明るい。
内容はほとんど事実だそうです。ただ登場の若いヘータイたちは哀れで一方的な被害者というわけでもない。毎日ビンタくって腹へらしていますが、それでもオンナのことは忘れないし、いろいろズルイことも考える。ま、ニンゲンです。
無駄に玉砕を決断した若き大隊長はアホですが、でもそうした(純粋な)アホが当時はたくさんいたんだろうなあ。そうそう。水木しげるの絵は凄絶に上手です。天才。
アマゾンの購入合計が規定の3500円に足りなかったので(配送料をケチるため)追加で追加した本です。なんとなく書名を記憶していた。
中身は清少納言の「お話」です。いちおうは小説なんでしょうね。描かれた清少納言が決定的には厭味な女でもなく、かといって美化はされていない。ま、わりあい身勝手で才能ある女性です。オトコ関係なども証拠があるのかないのか不明ですが、なんとなく納得できる感じ。そんなもんだったんだ。
初めて知ったのは、このころの宮中、女房勤め、夜が大事だということ。夜というのはシンプルに「夜間勤務」という意味です。暗くなってから牛車が通う。使者がくる。貴公子たちが気晴らしに訪問する。女房たちは几帳の陰で居眠りする。ご主人たちは夜遊びしたがるし、牛車の御者たちは早く帰りたくてブーブー文句をたれる。
なかなか面白い本でした。やはり田辺聖子は達者。(買ってから上下巻と知った。あわてて下巻も買いました)
佐藤家の血脈の話です。佐藤は佐藤紅緑。
紅緑は子供のころに一冊か二冊は読んだと思います。ただ「あゝ玉杯に花うけて」かどうかは不明。貸本屋にあったかどうか。
そもそもはサトウハチローについての興味で借り出しました。顔はゴツい、愛嬌がある。書くものはキレイでセンチ、華麗。けっこうな困りものという話を聞いたことはある。はて。
壮絶な本でした。佐藤紅緑と若い女との宿命的な関係に始まり、呪われたDNAが繋がる。みんな激しいです。そこに絡んでくる女性たちもすごい。オトコたちも激しい。辛い。みーんな悪人。みーんな不幸。どうしようもない。
いわば始祖の紅緑とその長男のハチロー、娘の愛子。三人だけがいわば選抜組で、呪いの血に打ち勝った。あとはみーんな血に負けた。
だいたい800ページ。装丁から想像できるように、きっしり活字が詰まっています。重いです。
ま、ストーリーは大河ドラマに準じています。逆か。大河がこっちの本を参考にしている。ただし永井路子ですから大河ドラマほど勝手に逸脱してはいません。紫式部と少年時代に出会ったりもしないし、石山寺で合い挽き逢引きもしません。ま、だいたい事実(日記記述)通りの展開。
ボーッと育った三男坊がべらぼうな幸運に恵まれて氏の長者になり、摂政関白。どうも姉ちゃん(女院・吉田羊)が思い切って贔屓にしてくれたんでしょうね。おまけにライバルの伊周がアホやってくれたし。
当時の雰囲気、こんな感じだったのかな・・・を伝えてくれています。長いけど、読み飽きませんでした。それどこか二回も読んでしまった。あはは。